飲食店労務トラブルQ&A もくじ

イメージ画像飲食店経営者からよく受ける相談をQ&A形式にしました。現場で使えるナマのノウハウをわかりやすい表現で記載してあります。

◇退職・解雇等
店長が別の飲食店へ転職するのを止められないか?
「会社都合退職にしてくれ」と退職者から言われたら拒否できるか?

◇残業
飲食店では、18歳未満は、深夜労働や残業できないってホント?
残業代不払いで労働基準監督署から監査の通知が来ました。どうすればいい?
自主的な残業に、残業手当は不要か?

◇労働時間・休日・休憩
まとめて1時間の休憩が取れないが、休憩時間は分割で与えられないか?
1か月の休日にすべて休日労働させることは、違法か?

◇給料
スタッフに接客のセミナーを受けさせたい。セミナー受講時間も給料を払うべき?
食中毒で営業停止になった場合、給料の支払いは必要か?

◇有給休暇
申請された有給休暇の日程を変更できるか?

◇労災・雇用保険・社会保険
個人経営の飲食店に社会保険加入義務はあるか?
飲食店でバイトしかいないけど労災保険の加入は義務?

◇服務違反
社内恋愛(不倫)をしている社員とアルバイトを解雇できないか?
茶髪やアクセサリーの着用を禁止している場合、違反する社員を処分できるか?
遅刻1回で3,000円罰金は可能か?

◇異動命令
店長を別の店舗に転勤(異動)させられるか?
成績の悪い店長を本部の事務職に変更したいが可能か?

◇その他
会社の配送車で事故をした場合、従業員に修理代を全額負担させられるか?

Q1:「飲食店では、18歳未満は、深夜労働や残業できないってホント?」

A:○ 「夜22時~朝5時まで」「1日8時間、週40時間超の労働」は、原則禁止です。18歳未満の者は、年少者といい、労働時間などに制約があります。

◆深夜業の禁止
飲食店では、18歳未満のスタッフを夜22時から朝5時まで働かせることは労働基準法違反になってしまいます。

◆残業の禁止
飲食店では、原則、18歳未満のスタッフに1日8時間、週40時間を超える労働はさせることができません。

次の場合は、例外として、1日8時間、週40時間を超える労働をさせることができます。
・1週間のうち、1日の労働時間を4時間以内に短縮することにより、他の日の労働時間を10時間まで延長することができます。
・1日8時間、1週間48時間を超えない場合には、1ヵ月単位・1年単位の変形労働時間制によって働いてもらうことができます。

◆18歳未満ってことは、18歳の高校生はOK?
そうです。18歳になってさえいれば、制限はなくなります。マメ知識として、飲食店じゃなくて、病院の看護師さんもこの制限がなかったりします。

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Q2:スタッフに接客のセミナーを受けさせたい。セミナー受講時間も給料を払うべき?

A:○ 労働時間とみなされるので、給料が発生します。外部の研修やセミナーに会社の命令で参加させる場合は、労働時間とみなされるので、アルバイトの場合は、その時間分、時給を支払う必要があります。研修やセミナー料金も会社持ちで、時給を払うとなるとますます外部研修を受けさせるのは難しいと思う経営者の方もいるでしょう。

◆明らかに自由参加の研修の場合も給料の支払いが必要?
研修への参加をスタッフのまったくの自由に任せている場合は給料は発生しません。自由参加の場合、会社側が交通費や研修料金を負担しても、労働時間とはならないので、給料の支払いは不要です。

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Q3:残業代不払いで労働基準監督署から監査の通知が来ましたがどうすればいい?

A:調査結果によっては、残業代(時間外手当)の不払いを是正勧告される恐れがあります。労働基準監督署の調査は、定期的で形式的な調査と従業員の申告による調査があり、前者の場合は、形式的な調査ですので余計なことを言わず、指導されることを粛々と実行する(監督官も無理なことは言いません。)。後者の場合は、従業員との具体的事案なので、問題点を把握し、対応を考えなければなりません。監督署での調査の際は、聞かれたことに真摯に答える、尋ねられたこと以外は余分なことを話さないほうがいいですね。緊張からか、自信があるからか、ついつい饒舌になってしまって墓穴を掘ってしまう社長もいますので。

労働基準監督署の調査は、悪質なケースを除いては、処罰することが目的ではなく、将来に向かって、法律を守ってもらうということが重視されるので、真摯に対応するのが一番です。残業の調査は、タイムカードや出退勤の記録やPCや社内システムの記録など客観的な事実と実際支払われた賃金が異なるかどうかや次のようなことが調べられることが多いです。
・出退勤記録と賃金計算(賃金台帳)があっているか。
・時給計算は1分単位で計算されているか(月ごとで30分未満切り捨てはOK)
・36協定の範囲内の時間外労働に収まっているか
・残業単価の算出は正しいか

◆労働基準監督官の調査の注意点
・冷静に話し合う。監督官は常に労働者の味方であるとは限りません。法違反を是正することが目的ですので、労働者がおかしなことを言っていると判断することもあります。真摯に向き合って、話し合うことが重要です。
・嘘をつかない。記録の改ざんをしない。悪質と判断された場合は徹底的に調べられ、書類送検される可能性もありますので。

結果として、○時間分の時間外手当を○月○日までに支払いなさい()とか、賃金を再計算し、不足分を支払いなさいという是正勧告が出ることもあります。是正勧告が出た場合は、必ず○月○日までに改善しなさいという期日が決められます。どう改善したかは是正報告書という書類で、期日までに労働基準監督署に報告することになります。

※未払い賃金の支払い命令
労働基準監督官が会社に対して、残業代や未払い賃金の「支払い命令」をすることは、本来はできません。労働基準監督官が、労働基準法上、使用者に対して、同法法に違反して支払われていない賃金の支払いをするよう勧告はできるが、支払いを命ずる権限はありません(「労働基準監督機関の役割」に関する質問主意書 平成22年10月29日 村田吉隆衆議院議員)。

債務不履行の未払賃金の額を確定できるのは、当事者の合意か裁判所だけです。労働者が持っている労働時間の証拠と会社の労働時間の記録が異なる場合は、「会社と労働者の当事者で話し合い、金額を確定させます。」という話を監督官にすることも多いです。

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Q4:まとめて1時間の休憩が取れないが、休憩時間は分割で与えられないか?

A:○ 分割で与えられます。 昼休憩なしで営業している飲食店の場合、バイトはまだしも、社員の休憩については、「毎日まとめて1時間の休憩を取らせるなんてちょっと難しい......」っていうのが経営者の本音だと思います。まとめてとってもらう必要はないんです。分割で休憩を取ってもらえばOKなんです。例えば、20分ずつ計3回取ってもらえれば、1日で1時間になりますよね。

「20分単位で3回とる」「食事休憩は40分、残りの20分は○時から○時の間に取る」というような形であれば、休憩もとりやすくなるんじゃないでしょうか。

◆注意点
ただし、暇な時間に来客を待ちながら店舗内で休憩をとる場合は、労働から完全に解放されていないので、基本的には休憩と認められません(労働時間になります)。また、体が休まらないほど短い休憩時間は、休憩時間として認められない可能性が高くなります。15分くらいが休憩時間の最小単位の目安と考えてください。

◆そもそも、何時間働いたらどれだけの休憩が必要?
法律では、1日の労働時間ごとに必要な休憩時間が決まっています。
労働時間  休憩時間
6時間超 = 45分
8時間超 = 60分

1日6時間以下の場合は休憩時間なしでOKです。6時間超働いてもらう場合は、バイトも社員も関係なく休憩を取らせる必要があります。

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Q5:食中毒で営業停止になった場合、給料の支払いは必要か?

A:○ 1日につき60%以上の給与支払い(休業手当)が必要。会社の都合や責任で飲食店を営業できなかった場合は、平均賃金の6割以上の休業手当の支払いが必要になります。休業手当を支払う必要があるのは、その人が働く予定だったのに会社のせいで休みになった日です。営業停止になった日に出勤する予定じゃない人に、支払いは必要ありません。例えば、2日間営業停止で、1日しかシフトが入っていない場合は1日分の休業手当を支給すればOKです。

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Q6:個人経営の飲食店に社会保険加入義務はあるか?

A:× 個人経営の飲食店に加入義務はありません。任意加入は可能です。従業員が何人いても個人経営の飲食店に社会保険の加入義務はありません。法人の場合は、1人いれば加入義務が生じます。

あまりない事例ですが、個人事業の飲食店で社会保険に任意加入したい場合は、従業員の2分の1以上の同意などを取り付けて加入することができます。この場合、従業員の2分の1以上の同意があっても事業主の加入義務が生じるわけではありません。社会保険料の負担がどのくらいになるか気になる方は以下を参考にしてください。

社会保険加入の料金表はコチラ(大変リーズナブルになっております!!)

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Q7:飲食店でバイトしかいないけど労災保険の加入は義務?

A:○ 労災保険は、一人でもスタッフがいれば加入義務があるんです。
労災保険は業種に関係なく、1人でも雇用していれば、労災保険加入の義務があります。会社負担分の保険料は雇用保険と合わせて給料総額の1.2%なので、1年間の給料合計が200万円の場合、労災・雇用保険料は24,000円になります。このうち労災保険料は7,000円です。
労災保険に入るとどんな補償があるかなどはコチラの表をご覧ください!

◆本当によくある勘違い
飲食店の場合、組合に保険に入っている場合がありますが、組合の保険に入ったからと言って労災保険の加入しなくていいわけではありません。こうやって言うとびっくりされるオーナーもいらっしゃいますが、組合の保険は労災保険のプラスアルファの上積み保険であることが多いです。組合の保険に加入している方で、一緒に労災に入っていると思われているオーナーさんは、一度組合の担当者にご確認ください。

◆労災保険の加入をご検討の飲食店経営者の方
飲食店様には、本当にリーズナブルな料金で労災加入の手続きを承っています。

労災保険の新規加入手続の料金表はコチラ

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Q8:社内恋愛(不倫)をしている社員とアルバイトを解雇できないか?

A:× 不倫だけを理由に解雇は難しいでしょう。一般的に恋愛は私生活上の私的な行為なので、会社が口をはさむことはできません。基本的には、私生活上の行為に対して、会社が懲戒処分をすることはできないのです。ただし、社内恋愛をしているため、周りに悪影響を与えていたり、仕事が著しく遅れていたり、実際に仕事に支障をきたしている場合は、服務規程違反での懲戒処分できると考えます。

また、店長とアルバイトが社内恋愛している結果、通常の業務が進まないようなことがあれば、配置転換はやむを得ないでしょう。解雇となると、できないわけではないですが、それだけを理由にというのはとても難しいことなのです。

実際にバスの運転手とバスガイドの不倫が原因の解雇が有効とされた裁判例(長野電鉄事件)があります。この場合はバスの運転手とバスガイドという関係の特殊性を考えると、放置することは正常な業務運営ができないと判断されたものです。

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Q9:茶髪やアクセサリーの着用を禁止している場合、違反する社員を処分できるか?

A:△ 実際の作業や顧客サービスに影響する場合は、禁止できます。茶髪やひげなどは本人の人格に結び付いたものなので、理由なく禁止することはできません。職場秩序の維持という根拠だけ強制的に禁止にすることも難しいです。飲食店の場合、顧客サービスに影響する可能性があるので、禁止することに合理性があると考えます。

和のコンセプトを大切にし、着物を着用し接客するような飲食店は、茶髪では勤められないでしょう。また、調理担当の場合は、衛生面から指輪や時計を外すように指導するのは当然のことです。このような違反に対し、処分を科すことは問題ありません。しかし、ただ単に茶髪だからといって、懲戒処分を科すことはできないでしょう。

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Q10:遅刻1回で3,000円罰金は可能か?

A:× 予め罰金の金額を指定するような罰金規定自体が無効です。労働基準法16条の賠償予定の禁止に違反するので罰金規定は無効です。そもそも罰金というものは、国が犯罪に対して刑事罰として行うもので、会社が従業員に対し、勝手に課すことができるようなものではないんです。もちろん、1時間の遅刻に対して、1時間分の減給処分をする場合、ノーワーク・ノーペイの原則(働いた分にだけ給与を支給する考え方)により当然合法と考えます。

また就業規則に定める懲戒処分として、金額を指定せずに減給することは可能です。その場合は、遅刻した従業員に対し、減給することに合理性があるかということが問題となります。

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Q11:会社の配送車で事故をした場合、従業員に修理代を全額負担させられるか?

A:× 全額負担はさせられないでしょう。修理代を負担させることができる範囲は、実損害金額の一部です。会社の配送車が車両保険に入っていない場合はこういうことが多いでしょう。最近では、配送車を運転する従業員を限定し、「事故を起こした場合、車両の修理代は全額負担」という契約書を結ぶ場合もあります。それでも、修理代の全額負担はさせられません。

従業員が配送車を運転することで会社は利益を得ているわけですから、会社の損害賠償請求権の範囲は狭くなります。どのくらい修理代を払わせることが適当かというのは、さまざまな事情が考慮されるので一概には言えません。例えば、過酷な残業が重なり、疲労が蓄積された状態での事故の場合、従業員に請求できる金額は限りなく少なくなるでしょう。

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Q12:店長を別の店舗に転勤(異動)させられるか?

A:○ ただし、就業規則や雇用契約書に定めが必要です。転勤命令は、会社に認められた権利です。飲食店でも同様で、転勤に関する業務上の必要性があり、不当な動機・目的がない場合は正当な権利として認められます。ただし、そのためには就業規則や雇用契約書に転勤(配置転換)の規定が必要となります。「業務上の必要性により、勤務地及び所属を変更し、別の飲食店に転勤させることがある。転勤を命じられた社員は正当な理由がない限り拒むことができない」というような規定が一般的です。

◆転勤の要件をまとめると次のようになります。
1.就業規則や雇用契約書に転勤について定めていること
2.雇用契約を結ぶときに、勤務地を限定していないこと
3.業務上の必要性があること
4.不当な目的・動機がないこと
5.通常受け入れられる程度を著しく超える不利益がないこと

「5.通常受け入れられる程度を著しく超える不利益がないこと」とは、転勤の対象の店長にとって著しい不利益がある場合は、転勤命令が権利の乱用にあたるということです。一般的には、単身赴任になる程度のことであれば、著しい不利益があるとは言えません。例えば、店長本人しか病気の家族を介護できず、その病気の家族が転勤先についてこられない場合や店長本人の病気のため単身赴任をすることができない場合は、転勤命令は難しくなります。

平成13年の育児介護休業法の改正で、子の養育や家族の介護状況に対する配慮義務が定められており、昨今の時代背景を考えてもある程度の配慮が求められます。ここでいう配慮とは、転勤の内容や必要性について十分に説明し、家庭の事情を聴きとること、転勤を考慮する時間的余裕を与えること、転勤がいたずらに長くならないようにすることなどがあげられます。

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Q13:店長が別の飲食店へ転職するのを止められないか?

A:△ 転職を制限するには、就業規則や個別の合意書に特別の根拠が必要。退職後、同業である飲食店への転職を制限すること(競業避止)は、退職者の職業選択の自由との兼ね合いがあるので簡単にはできず、特別な根拠が必要です。また、就業規則に競業避止の定めをするだけは十分ではなく、退職者との個別の合意書を作成したほうが確実といえます。

飲食店への転職を制限することが裁判等で有効だと判断されるためには、その必要性や退職者の地位や仕事内容が制限するのにふさわしいか、さらに制限する期間や地域は明確か、ほかに制限への代償措置はあるか、という要件が考えられます。

◆必要性・職種
飲食店への転職を制限する目的は、企業秘密の保護が一般的で、レシピなどの企業秘密に接する機会が相当程度ある店長の場合は、その必要性があると考えられます。企業秘密に接することのないアルバイトまで制限することはできません。

◆制限する期間、地域
制限できる期間は、その必要性や代償措置によりケースバイケースですが、1年が限度と考えます。地域に関しては、同県内や隣接県など限定することが多いです。これもケースバイケースで地域は限定しなくてよい裁判例もありますが、有効性には疑問が残ります。

◆代償措置の有無
金銭的な代償措置は重要な要素と考えられ、在職中の機密保持手当や退職金増額があることが望ましいです。裁判例では、本来より少ない退職金では制限への補償としては不十分とされたものがあります。なお、この転職制限(退職後の競業避止)に違反をした場合、裁判例では退職金の不支給・減額、損害賠償請求、競業行為の差止めが争われることが多いです。

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Q14:「会社都合退職にしてくれ」と退職者から言われたら拒否できるか?

A:○ ただし、退職に関しては、お互い感情的になりやすく、対応次第で致命的なトラブルになる可能性があります。自ら退職を申し出た者が、あとから退職事由を「会社都合に変えてほしい」と言ってくることがあります。結論から言いますと、事実に即して自己都合退職で処理をしているのであれば、退職者が言っていることが間違っているので、ほっておいてもかまいません。ただし、そういうことを言ってくる方は、解雇されたと言ってきたり、残業代請求など会社に要求してくる可能性があります。

それはそうと、なぜ、そんなことを言うかというと......
(1)失業手当を早くもらいたいから
(2)モメた結果、自己都合退職になったが、やっぱり納得いかない。

話すことができるなら「なぜ、会社都合にしてほしいのか」を本人への確認をしてください。

(1)の場合
会社都合にすると失業手当が早く、場合によっては金額も多く貰えるんです。会社が何もしていないのに自ら退職を申し出た方の場合は、丁重にお断りしてください。

(2)の場合
事実がどうであれ、一度モメた退職者が主張しだしたら、まず、相手の主張と要求は何かをしっかり確認してください。

退職勧奨や自己都合退職かどうかあいまいな場合は、当事務所にご相談ください。

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Q15:申請された有給休暇の日程を変更できるか?

A:○ むずかしいですが、条件付きで有給休暇の日程を変更することができます。時季変更権と時季変更の申し込み

(1)時季変更権
会社が、有給休暇を使用する日を変更することができます。ただし、非常に厳しい条件を満たすことが必要です。主な条件は「業務の正常な運営をさまたげる事由」があること。この事由は、ただ単に業務多忙であったり、慢性的な人手不足という事由だけでは不十分です。有給を使用する人の代わりの従業員を探したり、ほかの人の勤務予定の変更しても、代わりの労働者を確保できない場合に認められる場合があります。

裁判例から抜粋して理由を挙げると、
・1ヵ月間という長期間の年休を請求した場合(時事通信社事件 H4.6.23 最高裁)
・年休を取得しようとする日の仕事が、担当業務や所属部・課・係など一定範囲の業務運営に不可欠で、代替者を確保することが困難な状態を指す(新潟鉄道郵便局事件 S60.3.11 最高裁)
などなど、とにかく、よっぽどの理由がない限り、有給休暇の日程変更は難しいってことです。

強制的に「有給休暇を取らないでくれ!」とはいえませんが、お願いならできます。それが次の「時季変更の申し込み」です。

(2)時季変更の申し込み
時季変更の申し込みとは、経営者や上司が「この日に人数が少なくなると困るから、別の日にしてくれない? どうしてもその日がよいなら仕方ないけど」と有給休暇の申請をしてきた従業員に頼むことです。

これはただのお願いなので、従業員が「この日に休みたいんです」と言えば、その日に有給休暇を使用することを止められません。ただ、法律的に、経営者や上司が、有給休暇の申請を出されたら、有無を言わさず、有給休暇の使用を承認すべきだってことではないということです。もちろん、会社側からのお願いなので、これを断ったからといって従業員に不利益な取り扱いをしてはいけないんです。

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Q16:成績の悪い店長を本部の事務職に変更したいが可能か?

A:○ 可能です。業務運営上の理由で担当職務や働く場所を変えるのは、会社に認められた人事権の範囲です。認められていても、もめる要因となるので、就業規則に配置転換について記載すべきでしょう。

また、職種や勤務地を限定した雇用契約の場合は、本人の同意なしで変更することはできないとの裁判例もあります。しかし、会社の業務上どうしても必要な場合もありますので、職種や勤務地を限定している雇用契約でも配置転換がある旨を記載する必要があります。

どちらにしても、本人が慣れ親しんだ店舗業務から、畑の違う事務職に変わるわけですから、業務上の必要性と本人を選んだ理由を誠実に説明することが重要です。本人のモチベーションも下がるはずなので、本人が力を発揮できるような環境づくりをすべきでしょう。

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Q17:1か月の休日にすべて休日労働させることは、違法か?

A:× 36協定で届け出ており、残業代を払っていれば適法。休日労働の回数に限度はありません。残業代さえ払っていれば、休日全部出勤してもらってもかまいません。もちろん、36協定で定めている時間外労働の枠内かつ休日労働の回数の範囲内である必要はありますが。

この場合、1か月の労働時間は相当多くなるので、該当従業員の健康面には十分注意が必要です。会社としては、安全配慮義務がありますし、労働局から過重労働削減の指導を受ける可能性もあります。

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Q18:自主的な残業に、残業手当は不要か?

A:△ 業務命令でない残業は、残業手当は不要ですが...。本来、残業は、上司からの業務命令で行うべきことで、自主的な残業は、労働に当たりません。労働に当たらないので残業手当は不要です。しかし、残業を会社が黙認している場合は、自主的な残業も「労働」になるので、残業代を支払うべきだというのが、労働局の指導や多数の裁判例の流れです。

他にも、「客観的に見て、勤務時間内に終わらないような業務を与えた場合」は、黙示の残業命令だとみなされ、残業代を支払わねばなりません。このような場合は、「残業をするな」という明確な業務命令が必要です。その場合、残業することが業務命令違反となります。ですので、就業規則にのっとった懲戒処分の対象となります。とはいっても、現実問題として、働いてくれている従業員に懲戒処分は酷ですし、好きで残業している従業員は稀です。「○時になったら、パソコンの電源や照明を落とす」など、強制力を持って、残業をやめさせてください。最初は嫌がられますが、時間を区切ることで、従業員が仕事のやり方を変えるきっかけになります。

経営者としては心苦しい面もあるでしょうが、勝手な残業をやめさせるには、心を鬼にして取り締まらなければ、最終的に残業代を支払わなくてはならないことになってしまいます。

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