Q19:「15分単位の時給計算は違法、適法? なぜ、他の飲食店でもやってるのか」

A:△ 原則違法ですが、運用によっては適法になることも

◆15分切り捨て、時給の丸め計算は、違法?
原則として、労働時間は、1分単位で算定しなければならないとされています。
15分単位の時給計算や時間の切り捨ては違法です。


では、なぜ、15分単位で時給計算している飲食店が多いのか?
それは、運用次第で適法になる可能性があるからです。

◆なぜ、15分単位で時給計算している飲食店が多いのか

勤怠システムで自動的に15分単位で切り捨てになっている場合や、実際の労働の有無を確認せずに始業、終業時刻を15分単位で時給計算している場合は、違法です。

ただし、働いていない時間を労働時間から除くのは違法ではありません。

業務終了後、勤怠の打刻をせずに雑談していた場合、雑談している時間は業務ではないので労働時間から除外できます。

21時9分に業務終了の打刻があっても、21時00分に業務終了し、持ち場を離れ、雑談していた場合は、業務終了時刻は21時00分です。この場合は、勤怠の打刻を21時00分に修正して、労働時間を記録する必要があります。


ただし、ほとんどの飲食店では、スタッフの業務終了時刻を店長などの管理者がその場で確認することは難しいでしょう。


そこで行われているのが、業務の開始や終了時刻を〇分単位でスケジューリングする=「〇分単位で業務命令する」ことで、労働時間の管理をすることです。


15分単位で時給計算している飲食店は、業務時間を15分単位でスケジューリングし、そのワークスケジュールに沿った15分単位の定時打刻を指導する。


15分単位で時給計算をしている飲食店は「15分単位で業務命令」をしているのでしょう。


15分単位で業務命令をするとは、ワークスケジュールを15分単位で組むことや「21時5分まで業務をした場合は、新たに仕事を見つけて21時15分まで業務をしてから、21時15分で打刻するように徹底する」ということです。


店舗の全スタッフに理解してもらい、実際に15分単位での業務の念頭に行動してもらう必要があるので、就業規則、雇用契約書や店舗内の張り紙などで、「業務は15分単位で行うこと」「15分単位で業務命令すること」を明記して周知する必要があるでしょう。

◆15分単位の業務命令は可能か?

15分単位の業務命令をして、実際に15分単位で業務が行ってもらうことは、かなり難しいでしょう。

15分単位で業務命令をし、15分単位での定時打刻を徹底していても、実際に店舗スタッフのほどんどが、21時業務終了でも、毎日21時10分に打刻していれば、21時00分から21時10分までの10分間仕事をしていなかったと証明するのはかなり難しいでしょう。

10分間仕事をしていないかった確認を毎日していれば、21時00分業務終了としても問題ありませんが、確認できていない場合は、毎日10分ぶんの未払い賃金が発生していると推定されるでしょう。


15分単位での業務命令ができていれば、15分時給丸めや15分単位での給与計算は可能ですが、実現するには工夫や手間がかかるでしょう。


2022年6月に、大手ファミレスチェーンが5分単位勤怠管理を1分単位に切り替えることを発表しました。

労務管理の難しさや法令順守意識の高まりによって、今後は、飲食店でも1分単位の労働時間管理が主流になってくるでしょう。

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