【飲食店】社員の独立支援制度、FC化◆社長の想い
・現在居酒屋3店舗を運営している。今年と来年1店舗ずつ出店し、5店舗体制にしたい。
・5店舗になったら、店長を統括するマネージャーを置くことを考えている。
◆多店舗展開飲食店とマネージャー制度
3店舗以上になると社長ひとりではフォローが難しくなり、店長の能力次第で売り上げが大幅に変わってしまうということがよくあります。そうなる前に店舗スタッフと売上UPのフォローするマネージャー職や社長の右腕という人財が必要になると思います。とはいうものの、マネージャーに適任な人材というのはなかなか見つかりません。
多くの飲食店では、売上成績のよい店長、人材育成がうまい店長をマネージャー職に昇格させます。この場合、すぐにマネージャー職をこなせる人材は3割くらいだと思います。これは、能力がないというわけではなく、店長とは仕事がまったく違うことが原因です。次の表に店長とマネージャーの仕事内容の違いをまとめました。
店長の仕事 | マネージャーの仕事 |
---|---|
自分が動く | 人を動かす |
店という居場所がある | 決まった居場所がない |
売上目標を達成する | 売上目標を作成する |
現場を見て、店舗の状態を把握する | 報告や売上数値から店舗の状態を把握し、分析する |
売上が求められる | 売上と人材育成が求められる |
成果が定量的で明確(売上) | 成果が定性的で不明確 |
業務内容が明確 | 業務内容が不明確(何をしていいのかわからない) |
マネージャー職は、今までの店長職とは仕事内容が異なる上に成果もわかりにくいので、自分のやっていることが結果につながっているかがわからないというマネージャーも多いでしょう。特に自分が率先して動いて売り上げてきた店長はマネージャーになって苦労することが多かったりします。一方で、社員やバイトをうまく動かして、一緒に動いて売上を上げてきた店長は、マネージャー職もうまくこなしていくことがあります。
もっとも難しいのが、店長の適性を見抜いて、どの店長がマネージャーに適任か選ぶこと、そして、育てることでしょう。さらに苦労して育てても、マネージャーとしてのストレスから退職してしまったりすることも多いです。
この飲食店では、現在の店長からマネージャーに適任と言えるほどの人財が見つからず、外部から採用する方法も考えました。とにかく、マネージャー制度の導入は、マネージャーを育成する点で非常に大変だという話になりました。
◆マネージャー制度より社内独立制度?
結局、数年かけてマネージャーを育てるよりは、社内独立制度やFC化して、経営者の立場まで引き上げたほうが本人のためにも、会社のためにもよいのではないかという話になりました。「マネージャー職を設けるから、ヤル気ある人は昇格させます」というよりは、「社内独立制度を設けたので、社長になりたい人は」というほうがモチベーションは上がるのかなと思います。数年後を見据えながら、マネージャーを育てるか社内独立制度を導入するか、社長と検討を重ねています。