飲食店に対する社会保険事務所(年金事務所)の調査

イメージ画像労働基準監督署の調査があるように、年金事務所(旧社会保険事務所)の調査も存在します。3年~5年に一回くらい、年金事務所のよる調査が行われます。何の前触れもなく、「健康保険及び厚生年金保険の被保険者の資格及び報酬等の調査実施について」「会計検査院の実地調査に伴う健康保険及び厚生年金保険関係の調査について」という紙が年金事務所や会計検査院から届き、調査を知ることが多いと思います。数年前は、年金記録問題などで、年金事務所もてんやわんやだったのか、ほとんどなかった気がしますが、最近増えてきているようです。

これまでの名古屋市の場合は、特別なことがない限りだいたい4年~5年周期です。年金事務所によって調査対象の飲食店の選び方が違います。毎年ハローワークから雇用保険の加入者のデータをもらったり、法務局からのデータをもらったり、区で区切って調査している年金事務所もあります。また、新規加入したあとにも調査が来る場合があります。

どんな会社が調査対象になる?次のいずれかに当てはまると調査の対象になりやすいです。
・賞与支払い届が未提出
・60歳になる人がいる
・毎年7月に出す算定基礎届(定時決定)の内容があやしい
などの理由がる会社が調査を受けることが多いようです。

調査の種類社会保険の調査には、年金事務所(旧社会保険事務所)と会計検査院の調査があります。では、それぞれの調査の違いは、どこにあるのでしょう。

簡単に言うと、年金事務所の調査より、会計検査院の調査の方が容赦はないです。会計検査院は、税務関係の書類のデータとも突合せたり、調査の仕方もよりシビアです。なぜ、シビアかというと会計検査院は年金事務所より上位の機関で、「年金事務所が管轄地域の会社から適正に社会保険料を徴収しているか」の調査も同時に行うことが多く、当然調査も年金事務所より厳しいものになります。

年金事務所の調査は、担当調査官により、シビアな場合とそうでない場合があります。 年金事務所の調査は「適用事業調査」「定時決定の調査」「総合調査」などの名目で実施されます。

何を調べられる?何について調査されるか、具体的には次の通りです。
(1)アルバイト・パートタイマーが加入しているか 
(2)入社時から加入しているか、試用期間は未加入になっていないか
(3)資格取得時の標準報酬は実態にあっているか
(4)毎年7月の算定基礎届(定時決定)が適正に処理されているか
(5)月額変更(随時改定)の処理が適正にされているか
(6)交通費などの手当も社会保険料の基礎となる標準報酬に含めているか
(7)60歳以上で未加入の労働者はいないか
(8)賞与の社会保険料を従業員から徴収し、納付しているか
(9)賞与支払い届を提出しているか

※アルバイトやパートタイマーの加入については、タイムカードや勤怠実績の実態を見られます。例えば、労働契約が週5日1日5時間勤務でも実態で7時間働いていれば、社会保険加入が必要ということになるでしょう。タイムカードや賃金台帳を改ざんしてしまう会社もあるようですが、税務関係の書類と突合せられれば、万事休すですので、決して改ざんはしないでください。

調査後はどうなる?最大2年前までさかのぼって社会保険料が徴収されます。
会計検査院の調査の場合は、「過去2年間の社会保険料が1,000万円です。意図的な徴収逃れの可能性があるので来月までに支払っていただくことになります」なんて、粛々と言われたりします。そうでない調査の場合、調査を受けたすべての会社が2年間のさかのぼって保険料を払わなければいけないわけではありません。

従業員からの申告の場合などは、2年間さかのぼって社会保険料が徴収される可能性はありますが、一般的な総合調査等の場合は、年金事務所の担当者と話し合っていつから加入か決めることが多いです。ほとんどの場合、調査の月から加入ということになると思います。

とはいっても「今後、どのように改善するか」「そもそも改善する気があるか」などについてもしっかり記録に残ります。悔しいのはわかりますが、今まで誤って処理していたことを認め、反省し、今後改善していくことをしっかり伝えることも重要だと思います。

年金事務所の調査がなんともなかったからといって何も改善しないと、そのうち会計検査院の調査の対象になります。調査自体は何もなく終わっても年金事務所に記録が残りますので、改善に向けて、動くのが一番安全な方法です。

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